士峰流 いちゆうの花

士峰流 森いちゆう による華道ブログ
Ichiyu's Flower Arrangements
ツルウメモドキ
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    また錦秋の季節が巡ってきました。ツルウメモドキの実が弾けて、赤と黄色のコントラストが華やかな彩りで、紅葉とともに秋を装います。



    “物のあわれは秋こそまされ” と万葉人が愛した千葉(せんよう)の紅葉(もみじ)は、和歌や絵画、工芸品などの多様な題材として用いられ、日本人特有の高い芸術性を確立していきます。

    器は、古い絵唐津の地味すぎるほどの静かな徳利です。青みがかった赤墨色の肌に、鉄釉の何とも不思議な紋様が、より一層静寂な時間を刻んでいるかのようです。もみじ筵(むしろ)を踏み分けて入る鄙びた田舎の大禍時(おおまがとき)を連想させるこの器に、秋の彩りを活けて、まじかに迫る幻冬の季節を迎える前の、一瞬の輝きを表したいと思いました。

    綺麗に紅葉したカシワバアジサイを根締めに、リンドウの花を添えてみましたが、この器の花映えの良さに先人の卓越した技量を感じました。

    リンドウは根が生薬として使われますが、そのあまりの苦さにエヤミグサ(笑止草)と言う別名があるようです。 “良薬は口に苦し” とはこの事でしょうか。

    多くの人々を魅了してやまない、日本の美しい秋を満喫できる幸せに感謝して、謙虚に生きることの大切さを改めて感じています。

    いちゆう
    | いちゆう | - | 17:02 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
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