2015.11.01 Sunday
ツルウメモドキ
また錦秋の季節が巡ってきました。ツルウメモドキの実が弾けて、赤と黄色のコントラストが華やかな彩りで、紅葉とともに秋を装います。
“物のあわれは秋こそまされ” と万葉人が愛した千葉(せんよう)の紅葉(もみじ)は、和歌や絵画、工芸品などの多様な題材として用いられ、日本人特有の高い芸術性を確立していきます。
器は、古い絵唐津の地味すぎるほどの静かな徳利です。青みがかった赤墨色の肌に、鉄釉の何とも不思議な紋様が、より一層静寂な時間を刻んでいるかのようです。もみじ筵(むしろ)を踏み分けて入る鄙びた田舎の大禍時(おおまがとき)を連想させるこの器に、秋の彩りを活けて、まじかに迫る幻冬の季節を迎える前の、一瞬の輝きを表したいと思いました。
綺麗に紅葉したカシワバアジサイを根締めに、リンドウの花を添えてみましたが、この器の花映えの良さに先人の卓越した技量を感じました。
リンドウは根が生薬として使われますが、そのあまりの苦さにエヤミグサ(笑止草)と言う別名があるようです。 “良薬は口に苦し” とはこの事でしょうか。
多くの人々を魅了してやまない、日本の美しい秋を満喫できる幸せに感謝して、謙虚に生きることの大切さを改めて感じています。
いちゆう
“物のあわれは秋こそまされ” と万葉人が愛した千葉(せんよう)の紅葉(もみじ)は、和歌や絵画、工芸品などの多様な題材として用いられ、日本人特有の高い芸術性を確立していきます。
器は、古い絵唐津の地味すぎるほどの静かな徳利です。青みがかった赤墨色の肌に、鉄釉の何とも不思議な紋様が、より一層静寂な時間を刻んでいるかのようです。もみじ筵(むしろ)を踏み分けて入る鄙びた田舎の大禍時(おおまがとき)を連想させるこの器に、秋の彩りを活けて、まじかに迫る幻冬の季節を迎える前の、一瞬の輝きを表したいと思いました。
綺麗に紅葉したカシワバアジサイを根締めに、リンドウの花を添えてみましたが、この器の花映えの良さに先人の卓越した技量を感じました。
リンドウは根が生薬として使われますが、そのあまりの苦さにエヤミグサ(笑止草)と言う別名があるようです。 “良薬は口に苦し” とはこの事でしょうか。
多くの人々を魅了してやまない、日本の美しい秋を満喫できる幸せに感謝して、謙虚に生きることの大切さを改めて感じています。
いちゆう