士峰流 いちゆうの花

士峰流 森いちゆう による華道ブログ
Ichiyu's Flower Arrangements
ギンバ
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    山深い谷で出会った、この可憐な一輪の薮椿に魅せられました。
    四月は花残月(はなのこりづき)ともいいますが、冬の名残のような、けな気なこの一枝に心惹かれ、その一瞬の感動を春の花材に合わせて活けました。




    いま、里も山も芽吹きの時です。ギンバの新芽は瑞々しい若緑で、他の花木の彩りにも負けず、
    春山を萌黄色に染めています。

    ギンバを主にし、ヤブツバキを副として右に流しました。
    ミヤコワスレの花は、主と副の中間に置いて、茎の優しい線でバランスをとります。
    左後ろの一枚の葉で、右に偏った重心を左に引き戻す役割をします。

    ツバキもまた約束事のある花材です。特に茶花のように一輪だけ使う時には、葉の枚数に気を配ります。一枚あるいは三枚のように葉の枚数を奇数にします。

    日本には、古くから奇数を尊ぶ奇数文化があると言われています。
    陰陽道では、奇数が陽、偶数が陰とされ、元旦、雛祭り、節句などなど、旧来の祭日は、ほとんどが奇数日となっています。何気ない日々の暮らしの中で、見過ごされがちな慣習にも、深い意味や成り立ちがあるのですね。

    花器は、沖縄の嘉瓶(ゆしびん)と呼ばれているものです。
    お祝いの席にお酒を入れて持参するために造られたそうです。
    練色がかった象牙色の滑らかな肌合いが、柔らかな表情をしています。

    いちゆう
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