2014.06.05 Thursday
ツボサンゴ
ツボサンゴの花を主に、根締めにイレシネの赤い葉を入れ、奥行きにはマツザカシダをあしらい、副としてコバノズイナの枝を左に流しました。
ツボサンゴは他の植物との交配が容易なため、ヒューケラやヒューケレラの名前で沢山の交配品種が出回っています。多様な色彩を楽しめる葉に比べれば花は小さくて地味ですが、珊瑚色をした壺型の花は、よく見れば愛らしく健気です。
根締めのイレシネは、ケイトウやセンニチコウの仲間です。お日様が大好きで、陽に良く当たると綺麗な赤い色になり、カラーリーフとしての葉を楽しめます。
植物は、葉や実が美しいもののほとんどが、花は小さかったり色合いが地味だったりします。
これらの仲間の多くは風媒花です。花が美しく派手であったり、良い香りがしたり、甘い蜜を分泌するのは、鳥や昆虫を誘うための戦略なので、風を媒体とする仲間にとっては、花としての誘惑美の必要性は全く無いのでしょうね。
今回は、赤と緑の対比をテーマにして、活けてみました。マツザカシダとコバノズイナの若々しい緑で、流れる初夏の薫風を、そして迫り来る朱夏の朱(あか)を、ツボサンゴとイレシネで表現しました。
器(白川義和作)は、古信楽の白土を用いて焼締められたものです。
白土の上にかかった墨色の灰釉が、時を重ねて波に削られた洞窟の荒々しい磯肌のように、ざわつきざわめいて、心に響いてきます。
いちゆう
ツボサンゴは他の植物との交配が容易なため、ヒューケラやヒューケレラの名前で沢山の交配品種が出回っています。多様な色彩を楽しめる葉に比べれば花は小さくて地味ですが、珊瑚色をした壺型の花は、よく見れば愛らしく健気です。
根締めのイレシネは、ケイトウやセンニチコウの仲間です。お日様が大好きで、陽に良く当たると綺麗な赤い色になり、カラーリーフとしての葉を楽しめます。
植物は、葉や実が美しいもののほとんどが、花は小さかったり色合いが地味だったりします。
これらの仲間の多くは風媒花です。花が美しく派手であったり、良い香りがしたり、甘い蜜を分泌するのは、鳥や昆虫を誘うための戦略なので、風を媒体とする仲間にとっては、花としての誘惑美の必要性は全く無いのでしょうね。
今回は、赤と緑の対比をテーマにして、活けてみました。マツザカシダとコバノズイナの若々しい緑で、流れる初夏の薫風を、そして迫り来る朱夏の朱(あか)を、ツボサンゴとイレシネで表現しました。
器(白川義和作)は、古信楽の白土を用いて焼締められたものです。
白土の上にかかった墨色の灰釉が、時を重ねて波に削られた洞窟の荒々しい磯肌のように、ざわつきざわめいて、心に響いてきます。
いちゆう