2013.03.07 Thursday
ハクモクレン
今年もまた、ハクモクレンの咲く季節が訪れました。
花見月の風は時に冷たく、純白の花びらをもて遊ぶかのように揺らします。
モクレン(木蓮)の名前は、花が蓮(はす)の花に似ているので、木に咲く蓮の意味で付けられたようです。
また、モクレンの仲間はコンパスフラワー(方向指標植物)と呼ばれ、蕾が膨らみ始めると、その先端が必ず北の方角を向きます。
蕾はわずかな温度変化にも敏感に反応して、太陽の光を沢山受ける南側が膨らみ始める結果、蕾の先端が反り返って北を指すのだそうです。機会があれば確かめてみましょう。
夕暮れ時のハクモクレンの並木道は、純白の花々がいっそう際立って幻想的です。しかし、この美しい気高い花も、心無い春の雨や風にさらされて、あっという間に短い命を終わらせます。
この美しくも薄命な花は、伊勢物語の24段に登場する、愛を失い絶望の果てに息絶えた薄幸の女性に重なります。
器は古信楽の手つきの鉢です。荒々しい表情を見せる土に、ビードロ状の自然釉が灰青色に変化して流れ、効果的なアクセントになっています。少し肉厚でベルベッドのような質感のあるモクレンの花びらに、バラの葉を添えて、その存在感を強調しました。
いちゆう
花見月の風は時に冷たく、純白の花びらをもて遊ぶかのように揺らします。
モクレン(木蓮)の名前は、花が蓮(はす)の花に似ているので、木に咲く蓮の意味で付けられたようです。
また、モクレンの仲間はコンパスフラワー(方向指標植物)と呼ばれ、蕾が膨らみ始めると、その先端が必ず北の方角を向きます。
蕾はわずかな温度変化にも敏感に反応して、太陽の光を沢山受ける南側が膨らみ始める結果、蕾の先端が反り返って北を指すのだそうです。機会があれば確かめてみましょう。
夕暮れ時のハクモクレンの並木道は、純白の花々がいっそう際立って幻想的です。しかし、この美しい気高い花も、心無い春の雨や風にさらされて、あっという間に短い命を終わらせます。
この美しくも薄命な花は、伊勢物語の24段に登場する、愛を失い絶望の果てに息絶えた薄幸の女性に重なります。
器は古信楽の手つきの鉢です。荒々しい表情を見せる土に、ビードロ状の自然釉が灰青色に変化して流れ、効果的なアクセントになっています。少し肉厚でベルベッドのような質感のあるモクレンの花びらに、バラの葉を添えて、その存在感を強調しました。
いちゆう