士峰流 いちゆうの花

士峰流 森いちゆう による華道ブログ
Ichiyu's Flower Arrangements
ハルノノゲシ
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    お天気の良い日は、陽の光が一層明るく春の日差しを感じますが、頬にあたる風はまだまだ冷たく、如月が衣更着(きさらぎ)とも言われているように、更に重ね着をしたくなるような寒い日が続きます。

    そんな中、けなげに咲いている可愛いハルノノゲシを見つけました。



    タンポポを小さくしたような可愛い花は、よくタンポポやコウゾリナと間違えられます。
    春一番に野山で競って咲く花々は、黄色の花が多いことに気づかされます。これは、冬枯れの中、昆虫にとっていちばん目立つ黄色の花を咲かすことにより、受粉を確実なものにしようとする植物の驚くべき英知なのです。

    ハルノノゲシもタンポポのように綿帽子をつけます。種の一つ一つに間違いなく冠毛(綿帽子のフワフワした白い部分)が付いて、パラシュートのように飛んで行ける仕組みになっています。

    綿帽子は春の強い風に乗って旅立ちの日を迎えます。なるべく遠くに飛んで行けるようにと願う風まかせの旅は、行き先も分からないまま、春風の気まぐれに任せて新天地を見つけます。

    どこにでもある平凡な路傍の花にも、生き残りをかけた緻密な計算があり、知れば知るほど自然の摂理の奥深さに驚きます。

    器(白川義和作)は作者の遊び心溢れた作品です。鎬紋(しのぎもん)の花器は、片方に大きく変形して、ひび割れたヒダは岩場にできた僅かな隙間のようで、そこから芽を出した野草の強靭な生命力を彷彿とさせてくれます。
    コデマリは枝を左に流して全体のバランスをとりました。

    いちゆう
    | いちゆう | - | 20:28 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
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