士峰流 いちゆうの花

士峰流 森いちゆう による華道ブログ
Ichiyu's Flower Arrangements
アネモネ
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    アネモネを主にして菜の花を根締めにしました。



    アネモネはギリシャ神話にも出てくるほど、古くから知られた草花です。
    美少年アドニスが死んだ時に、美の神が流した涙から生えてきたのがアネモネの花とされていますが、花にまつわる多くの神話は、なぜいつも悲劇なのでしょうか。
    悲しみの記憶のほうが人の心にいつまでも強く残るからでしょうか。

    菜の花は、早春の畑一面を黄色いじゅうたんの波で埋め尽くし、春の花々の目覚めをうながすかのようです。
    菜の花が咲く頃に降る雨を菜種梅雨、霞がかった月のことを菜種月、と日本の言葉の美しい表現力は現代人の思いもつかない豊かな詩情に溢れています。

    この器(白川義和作)は力強い変形の花器ですので、器に負けないように大きなモンステラの葉でバランスをとりました。

    三箇所にある、高温によって溶け流れた珊胡のような灰油が、面白いアクセントとなっています。
    水盤の形をとりながら、中心部は壺のように口が立ち上がっているので足元が締まって見え、活け易い器です。

    いちゆう

    | いちゆう | - | 19:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    エピデンドラム
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      エピデンドラムを主にしてシマハランとヤツデの葉を活けました。



      エピデンドラムは花屋さんが、綺麗なのでブログ用に使ってみてくださいとわざわざ鉢植えを切って、くださったものです。
      普段、自分からは進んで使わない花材も、機会を頂くことによって良い勉強になります。

      エピデンドラムは着生植物のランの一種で、カトレアの近縁種です。
      着生植物とは、樹木にくっ付いて生活する植物のことですが、くっ付いている植物から栄養を吸収するわけではないので、寄生植物とは異なります。

      ランは植物の進化の中でも後発組であるといわれているように、条件の良い場所はすでに無く、自らの生存と子孫を残すという絶対的な使命を持って、着生という過酷な手段を選ぶほか無かったのでしょうか。

      樹上は水も栄養もなく、生きるための条件としては最悪の厳しい場所で、生き抜くためのあらゆる工夫を凝らし、進化する姿には生命の逞しさを感じます。

      器(白川義和作)は、高さ30センチの徳利型の壺です。
      濃い赤錆色の肌に覆いかぶさるように、流れ落ちる薄墨色の灰釉は、迫力ある景色となって、見るものに迫ってきます。

      いちゆう
      | いちゆう | - | 13:06 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      ハラン
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        シマハランと枯れハランを主にして、キイチゴの葉を根締めに、グリーンのガーベラを入れました。



        華道では、ハランなどの約束ごとのある花材はそれに応じた活け方をします。
        主として扱う場合、中心に置く時、そして中心より手前に活ける時もすべて、葉の裏面を見せるように活けます。

        そして、中心より後ろに活ける時は、葉の表面を見せるようにします。
        特にハランの一色活けの時などは、この基本を守って活けなければ、美しい線の流れを表現することはできません。
        今回は、全体を緑の色調に抑え、枯れハランの色でアクセントをつけました。

        枯れハランの使える時期としては、秋から冬の寒さの残る2月いっぱいでしょうか。
        枯れハランの作りかたは、新しいハランを、水につけないで半年ぐらい自然乾燥させます。
        私の経験ではシマハランが一番きれいな色ができるように思います。


        冬の厳しい寒さに耐え抜いた、キイチゴの葉は、水あげも良く、健気に三週間ぐらいは元気で楽しませてくれます。


        花器(白川義和作)は最近の新しい作品です。
        左側から右側にかけて、薄い飴色がだんだんと霞色から紫水晶となり、ねずみ色の肌に重なり、落ち着いた色調の中に斬新な躍動感を感じます。
        静かで地味な色合いの花に、荘厳な音色を奏でてくれています。

        いちゆう

        | いちゆう | - | 19:13 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
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