2012.01.24 Tuesday
チューリップ
チューリップにボケの枝を添え、シクラメンを根締めにしました。
チューリップの花を活ける時には茎だけを持って、絶対に葉に触れないようにします。
どんなにしっかりしているような葉でも、手に触れるとすぐに形が崩れ、しなって曲がってしまいます。
また、今の時期、鉢植えのシクラメンは、花屋さんの店先を色とりどりに飾っています。
めったに耳にしない、シクラメンの和名をご存知でしょうか。
洋名の一つの“sow bread”(豚のパン)を“豚まんじゅう”と直訳されたそうですが、あの牧野富太郎博士は、花の美しさにふさわしくない名前だと云うことで“カガリビバナ”と命名したそうです。
ボケの花は11月の終わり頃から4月の中頃まで長く楽しむことができます。
以前に、満開のボケの花を花展で活けた時、ひとりの老婦人から声を掛けられました。
“今日は思いがけず、私の一番好きな、そして一番思い出のある花に出会うことができました。ありがとうございます。”とお礼を言われました。
彼女の話によると、戦争中に爆撃に遭い防空壕の中で怯えていた時、一人の若い兵隊さんがボケの一枝をそっと差し出して慰めてくれたそうです。
その優しさに励まされ、日ごとに乙女の想いが募っていったそうですが、その後、彼は永遠に帰らぬ人となり、そして時は流れて、彼女は結婚し子供にも恵まれましたが、ボケの花と重なる彼への追慕の念は深く心に刻まれて、今もなお、折に触れ鮮明な記憶として蘇るそうです。
人生の折々に、私たちの傍らにある花や木が、忘れえぬ色々な美しい思い出を色濃く紡いでくれます。
花器は葉っぱ形のお皿に、同じ焼きの小さな手つきの器を載せました。
身の回りにある色々な物を、花器として変身させるのも楽しみのひとつです。
いちゆう
チューリップの花を活ける時には茎だけを持って、絶対に葉に触れないようにします。
どんなにしっかりしているような葉でも、手に触れるとすぐに形が崩れ、しなって曲がってしまいます。
また、今の時期、鉢植えのシクラメンは、花屋さんの店先を色とりどりに飾っています。
めったに耳にしない、シクラメンの和名をご存知でしょうか。
洋名の一つの“sow bread”(豚のパン)を“豚まんじゅう”と直訳されたそうですが、あの牧野富太郎博士は、花の美しさにふさわしくない名前だと云うことで“カガリビバナ”と命名したそうです。
ボケの花は11月の終わり頃から4月の中頃まで長く楽しむことができます。
以前に、満開のボケの花を花展で活けた時、ひとりの老婦人から声を掛けられました。
“今日は思いがけず、私の一番好きな、そして一番思い出のある花に出会うことができました。ありがとうございます。”とお礼を言われました。
彼女の話によると、戦争中に爆撃に遭い防空壕の中で怯えていた時、一人の若い兵隊さんがボケの一枝をそっと差し出して慰めてくれたそうです。
その優しさに励まされ、日ごとに乙女の想いが募っていったそうですが、その後、彼は永遠に帰らぬ人となり、そして時は流れて、彼女は結婚し子供にも恵まれましたが、ボケの花と重なる彼への追慕の念は深く心に刻まれて、今もなお、折に触れ鮮明な記憶として蘇るそうです。
人生の折々に、私たちの傍らにある花や木が、忘れえぬ色々な美しい思い出を色濃く紡いでくれます。
花器は葉っぱ形のお皿に、同じ焼きの小さな手つきの器を載せました。
身の回りにある色々な物を、花器として変身させるのも楽しみのひとつです。
いちゆう