士峰流 いちゆうの花

士峰流 森いちゆう による華道ブログ
Ichiyu's Flower Arrangements
濃染月に深緑の装い
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    ナツハゼとノイバラを、白川義和さんの奥様、裕子さんが作った花器に活けました。


    花器の面白い模様を生かすために、あえて花材を少なめにしました。
    彼女の作品は手捻りで、大和撫子のような優しい外見からは想像もつかないシュールな作品を生み出します。

    写真では分かりにくいのですが、ザラザラとした感触、深みのある栗皮茶いろの紋様、大胆な指跡に、緑がよく映える作品です。



    ノイバラの白い花は、5月〜6月にかけて、野山でよく見かけます。
    花は香りがよいので香水の原料として使われたりもします。
    花材としては、花の終わった今頃から実が赤く熟す秋口まで、よく使われます。
    鋭いトゲがたくさん付いているので、活け込みのときには注意しないと手に刺さり、痛い思いをすることもしばしばです。

    ナツハゼの葉は今の時期からだんだんと色づき、緑と赤のコントラストが美しく映えます。

    夏ごろからハゼのように紅葉するので、ナツハゼという名前になったようです。
    果実は黒色に熟し、ブルーベリーの一種なので食べられますが、強い酸味があります。

    いちゆう
    | いちゆう | - | 09:09 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    夏の日にチョコレートの香り
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      ヒューケラとチョコレートコスモスです。



      ヒューケラは種類が豊富で色々な形や色を楽しむことができ、株分けして次々と増やして楽しむこともできます。
      また、水揚げも良くこの時期でも一週間ぐらい平気です。

      チョコレートコスモスは、その名前どおり、色もチョコレート色で、花弁はベルベットのような艶を持ち、満開になった花弁からはほのかなチョコレートの香りがします。
      見頃は8月〜10月ごろです。

      私の大好きな高さ10cmほどのこの小さな壺(白川義和作)は、果てしない宇宙の広がりを感じさせてくれます。

      肩には濃茶の粗い肌合いの灰釉が掛かり、両側の鼠色の景色の中央には明るい銀色、それを覆うかのような玄冬色。

      まるで、ハリーポッターが“エクスペクト・パトローナム”と叫んで杖を振り、漆黒の闇の中から銀色の光がだんだんと強くなってくるような……そんな魔法の世界にいざなってくれます。

      いちゆう

      | いちゆう | - | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      暑さ忘れる花二輪
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        沖縄の蕨で作った色紙掛けに、ひさごの掛花入(白川作)を取り付けました。



        ひさごの花入は15センチ位の大きさなので、テッセンを2本だけいれました。
        ひさごは昔から良く用いられてきましたが、形が面白く活け易いという特徴があり、蕨という素材とも思いのほかマッチし、涼しげな感じがして、うれしくなりました。

        テッセンとクレマチスとの違いについて、しばしば質問されますが、テッセンはおおむね小型で6個の花弁状の萼(がく)片を持ちます。



        一方、クレマチスは大型の品種が多く、8個の萼(がく)片を持ち、カザグルマやテッセンなどの原種を交雑して育成されたものの総称です。

        いちゆう
        | いちゆう | - | 18:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        蝉時雨のなかの一服の涼
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          この2、3日の間に蝉の大合唱が聞こえるようになりました。いよいよ夏本番です。

          ほたるがやとベルテッセン(キダチテッセン)を、口の細い花器(白川作)にいれました。



          日本人は、蝉の声には暑さを、ほたるがやの白いまだら模様には一瞬の風が運ぶ涼を感じ取るという遺伝子が、四季を繰り返す長い間に組み込まれてきたのでしょう。

          士峰流の夏の花は、涼を感じさせる活けかたが重要な要素とされています。

          3センチ位のテッセンの小さな花の姿はかぼそげで愛らしく、いかにも士峰流好みといったところです。

          いちゆう
          | いちゆう | - | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          ヤマゴボウと一色活
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            高さ30センチの、へら目の大壺(白川義和作)にヨウシュヤマゴボウを入れてみました。



            壺の下方の月明かりのような白い景色が、へら目の強い線を和らげています。

            ヨウシュヤマゴボウはアメリカヤマゴボウとも呼ばれ、北アメリカ原産の帰化植物です。
            明るい若草色の葉、赤い茎、濃紫の熟した実のコントラストが、面白い風情を漂わせています。

            今の時期、水揚げが良く生き生きとした葉を楽しめます。
            ただ、実が黒く熟す頃は養分を実にとられて、葉の水揚げが悪くなりますので、葉を切り落とし実のみを活けます。

            線の流れの面白さや、葉の形の美しさなどが要求される一色活には、ヤマゴボウのような花材が好まれます。

            いちゆう

            | いちゆう | - | 17:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            初夏に映える純白
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              純白で芳香のあるこの花は初夏の花材として良く使われます。



              名前の由来は、果実が熟しても裂開しないので、口が開かないところから、くちなしと名付けられたとも言われています。

              古老は「せんぷく」と呼んでいますが、これは果実が薬用として使われていたので、煎じて服用したところから、せんぷく(煎服)と呼んだのではないかと思われます。

              直径30センチを越える大盤の焼締皿の上に、白川焼の花器をのせてみました。
              白川さんにしては、おとなしい肌合いの花器ですが、一輪差しが良く似合います。

              いちゆう
              | いちゆう | - | 17:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              花とシーサー
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                アネモネバージニアナにくちなしの葉を添えました。



                直径2センチほどの小さな花ですが、花びらの緑がかった白色はとても可憐で、花嫁のブーケにも良く似合います。

                足元のシーサーは、沖縄で手に入れた箸置きです。
                花器はおなじみの白川焼で、ガサガサした灰釉の掛かりぐあいが大好きです。

                いちゆう
                | いちゆう | - | 17:25 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                花に むら雲
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                  西洋まつむし草(スカビオサ)、ヒューケラ(ミッドナイトローズ)、くわずいもの葉、かきつばたの葉を組み合わせました。



                  西洋まつむし草は園芸化されたもので、まつむし草属は世界に60種以上もあり、特に地中海沿岸に多いそうです。
                  くわずいもは、沖縄の友だちに頂いた芋をベランダで育てたものです。

                  白川焼の花器は、濃黄色の自然釉が肩から流れ落ち、まるでむら雲のようにたなびいていて、まさに「月にむら雲」の風情です。

                  いちゆう
                  | いちゆう | - | 17:24 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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