2014.03.07 Friday
雪割り桜
桜の季節にはまだ早いこの時期に、ユキワリザクラが咲きました。
雪がまだ残っている時期に咲くのでこの名前が付けられたそうです。
正式名は椿寒桜といいます。
ヤブツバキとツツジの新芽を入れ、ヒロハヤブソテツを右に流しました。
ヒロハヤブソテツはシダの仲間で、何時の間にか我が家に自生していました。水揚げもよく、根締めに使うのには好都合です。
過ぎ行く冬の名残をツバキに、めぐり来る春の予感をサクラに託した作品にしました。
平安の世から今日に至るまで、日本の花として主役の座を守り続けている桜の花は、その美しさも、さることながら、短命であるがゆえに“もののあはれ”を誘い“侘び寂び”の美意識が生まれたのでしょうか。
“行きくれて 木の下蔭を宿とせば 花や今宵の主(あるじ)ならまし”
これは平家物語の中で、平忠度(たいらのただのり)が源氏に敗れ、都落ちして行く時、身に付けていた辞世の句です。
“行きくれて”は、ただ単に旅の途中、日が暮れたと言う意味あいだけではなく、武士(もののふ)の覚悟を決めた終焉の時を示唆しているのだと思います。
栄華のはかなさと、はかなくも美しい桜の花が“もののあはれ”を一層ひきたてます。今宵一夜の宿の主となって、もてなしてくれるのは、鈍色(にびいろ)に暮れ行く空を背景に舞い散る桜の花、最期を迎えた忠度の目にはどう映ったのでしょうか。
器(白川義和作)は、高さ15センチの小振りの花器です。
下膨れの形状は小さくても、どっしりとした貫禄があり、一目で和窯(なごみがま)の作品とわかる肌合いをしています。
いちゆう
雪がまだ残っている時期に咲くのでこの名前が付けられたそうです。
正式名は椿寒桜といいます。
ヤブツバキとツツジの新芽を入れ、ヒロハヤブソテツを右に流しました。
ヒロハヤブソテツはシダの仲間で、何時の間にか我が家に自生していました。水揚げもよく、根締めに使うのには好都合です。
過ぎ行く冬の名残をツバキに、めぐり来る春の予感をサクラに託した作品にしました。
平安の世から今日に至るまで、日本の花として主役の座を守り続けている桜の花は、その美しさも、さることながら、短命であるがゆえに“もののあはれ”を誘い“侘び寂び”の美意識が生まれたのでしょうか。
“行きくれて 木の下蔭を宿とせば 花や今宵の主(あるじ)ならまし”
これは平家物語の中で、平忠度(たいらのただのり)が源氏に敗れ、都落ちして行く時、身に付けていた辞世の句です。
“行きくれて”は、ただ単に旅の途中、日が暮れたと言う意味あいだけではなく、武士(もののふ)の覚悟を決めた終焉の時を示唆しているのだと思います。
栄華のはかなさと、はかなくも美しい桜の花が“もののあはれ”を一層ひきたてます。今宵一夜の宿の主となって、もてなしてくれるのは、鈍色(にびいろ)に暮れ行く空を背景に舞い散る桜の花、最期を迎えた忠度の目にはどう映ったのでしょうか。
器(白川義和作)は、高さ15センチの小振りの花器です。
下膨れの形状は小さくても、どっしりとした貫禄があり、一目で和窯(なごみがま)の作品とわかる肌合いをしています。
いちゆう