士峰流 いちゆうの花

士峰流 森いちゆう による華道ブログ
Ichiyu's Flower Arrangements
<< コバノズイナ | main | セキショウ >>
雪割り桜
0
    桜の季節にはまだ早いこの時期に、ユキワリザクラが咲きました。
    雪がまだ残っている時期に咲くのでこの名前が付けられたそうです。
    正式名は椿寒桜といいます。




    ヤブツバキとツツジの新芽を入れ、ヒロハヤブソテツを右に流しました。
    ヒロハヤブソテツはシダの仲間で、何時の間にか我が家に自生していました。水揚げもよく、根締めに使うのには好都合です。

    過ぎ行く冬の名残をツバキに、めぐり来る春の予感をサクラに託した作品にしました。

    平安の世から今日に至るまで、日本の花として主役の座を守り続けている桜の花は、その美しさも、さることながら、短命であるがゆえに“もののあはれ”を誘い“侘び寂び”の美意識が生まれたのでしょうか。

    “行きくれて 木の下蔭を宿とせば 花や今宵の主(あるじ)ならまし”

    これは平家物語の中で、平忠度(たいらのただのり)が源氏に敗れ、都落ちして行く時、身に付けていた辞世の句です。
    “行きくれて”は、ただ単に旅の途中、日が暮れたと言う意味あいだけではなく、武士(もののふ)の覚悟を決めた終焉の時を示唆しているのだと思います。
    栄華のはかなさと、はかなくも美しい桜の花が“もののあはれ”を一層ひきたてます。今宵一夜の宿の主となって、もてなしてくれるのは、鈍色(にびいろ)に暮れ行く空を背景に舞い散る桜の花、最期を迎えた忠度の目にはどう映ったのでしょうか。

    器(白川義和作)は、高さ15センチの小振りの花器です。
    下膨れの形状は小さくても、どっしりとした貫禄があり、一目で和窯(なごみがま)の作品とわかる肌合いをしています。

    いちゆう
    | いちゆう | - | 21:59 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
    久しぶりに素敵な作品をありがとうございます。

    雪割り桜何て素敵な名前なんでしょう。。。
    知らないことばかりで恥ずかしいですが、日本人生まれてよかったって思います。
    | classmate | 2014/03/11 5:09 AM |









    トラックバック機能は終了しました。
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31      
    << March 2024 >>
    + SELECTED ENTRIES
    + RECENT COMMENTS
    + CATEGORIES
    + ARCHIVES
    + レッスン、生け込み、ブーケに関するお問合せ
    <教室> 東海東京証券...水曜日/ 自膳工房“れお”(春野町西分)...土曜日/ ご連絡先TEL: 088-875-7580
    + 士峰流の特徴
    士峰流は、線の美しさを生かした、シンプルで茶花のような静かで、趣きのある流派です。 30 からすうり(ブログ用) - コピー.jpg
    + MOBILE
    qrcode
    + LINKS
    + PROFILE